治具について

「JIG」?それとも「治具」?

JIG(治具)」と呼ぶ物は工作機械を使うときに材料を支え、または案内し位置決めなどを正確に行なうための工作道具。また、古い年代の人なら同義語の「やとい」と呼ぶ事があります。
例えば穴明けジグ、精度良く仕上げたピッチ穴にまず焼入れブッシュを圧入します。そしてそのガイドブッシュ内面に沿わせた状態で主軸にセットした先端ツールを通しますと、卓上ボール盤などでも繰り返し安定したピッチ精度で穴加工を効率良く楽に行えます。
ほか、品物の固定、機械装置など組み立ての際や、または、検査測定にも精密治具をゲージとして多種多様に用いられます。この様に 治具(ジグ)があってこそあらゆる物の量産が可能になります。よって、まずは「JIG(治具)」を作製することが、モノづくり全ての原点なのです。
「治具」とはそれを漢字で当て字したもの。驚くことに発音を真似たのみならず、「JIG」という単語の意味には極めて精密というニュアンスも強く込められており、ヨーロッパ・アメリカでも意味がしっかりと通ずる訳語なのです。漢字やカタカナ表記すると馴染みがあり、いかにもらしい文字であるために外来語ということに気付いていない人もずいぶんいるのではないでしょうか。
纏めますが、日本では古来から外来語のJIG(ジグ)という名を呼ぶ際、如何にも日本語らしく装った「治具」と当て字した隠語が日常的に使用され、物作りの幅広い分野では馴染深く、“治具”または“JIG(ジグ)”と名の付く物には取り分け高精度を要求されることも多いという事を少し理解して貰えたでしょうか。

JIGイメージ

ジグ中ぐり盤って?

ジグ中ぐり盤は一般的にジグボーラー(治具ボーラー)と呼ばれ、名前の通り中ぐり盤に属す精密中ぐり盤の一種です。また、ボール盤の一種という見方もさ れるようですが、単にドリルで穴をあけるだけでないという意味ではボール盤とは似ても似つかない関係にあります。
この機械の役割と趣旨は極めて正確な位置決めをした上で、マイクロボーリング装置を用いて高速度回転と微細な送りで非常に寸法精度の高い真円度と直角度が出た穴に成るようボーリング切削仕上げすることです。主に超硬合金製や高速度工具鋼(ハイス)製などのチップ刃のボーリングバイトを駆使して、内径を公差の寸法に仕上げます。
ボーリングホルダの入らない小径の穴には細軸の耳掻きバイトで仕上げます。このようにジグボーラーは特に高精度を要する治具などの多数の穴を高精度ピ ッチ寸法にて中ぐりする場合に最も多く用いられます。
ピッチ補正装置付きの高精度送りネジや、格違いの光学的装置を備えていることによってμm(マイクロメートル)単位の極めて正確な心出しと測定検査を短時間で行えるのも特徴です。加工品の心出し方法は、基準となる端面からの追いかけ、あるいは振り分けのセンター出し、基準穴からの心出しなどがありますが、いずれも格別に高精度なマシンゆえ、安心と余裕をもって作業が行えるために、やり直しのきかない単品物や修正加工、完成品の追加工にもジグボーラーが優れた威力を発揮します。
ジグ中ぐり(ジグボーラー)加工とは、フライス盤やマシニングセンタで荒削りを済ませてある下孔(焼き入れされていない)を仕上げる程度の軽切削なボーリングが一般的ですが、錐もみ・リーマー通し・フェーシング(穴底面サラエ)・フライス切削にも使用できます。
位置決めには標準尺度の光学式読み取り装置により行いますが、補助的にダイヤルゲージや端面ゲージも使用し、場合により心出し顕微鏡も用います。これらにより位置決め精度は大中型の機械でも±0.003~±0.005mm、小型の機械では±0.001~±0.002mmの軸間(ピッチ)精度を得ることが可能です。当然ですが、そもそもこれにも満たない精度しか出せない機械をジグボーラーと名乗ることなどできません。よって、マザーマシンを創るマザーマシンと呼ばれるだけに絶対的な精度を誇れる位置付けにある工作機械がジグボーラー(あるいはジグ研削盤)なのです。現在でもその精度を超えられる工作機械は存在せず、その信頼性と存在感は不動のものです。
また、三次元測定器が普及した現在に至るまでは、ジグボーラー(あるいはジグ研削盤)を測定機器として代用されてきました。しかしそれは今日においても充分に遜色無いレベルだと実感します。機械自身は直角度は勿論のこと平面度、平行度、真円度も極めて精巧にできているので、性能を発揮させるには据え付け場所もクリーンで温度変化の少ない場所を選ぶのが一般的であり、機械精度を維持するためには厳しく温度管理された恒温室に設置することが必須です。位置決めばかりではなく主軸部分も熱や応力によって影響を受けないようクイルスピンドルは高硬度であり最高精度の軸受け(ベアリング)が使用されており、テーブル面に対し主軸はフルストロークで極めて真直な造りです。

さて、このように治具などの加工において、一桁上と言えるほどの精度をジグボーラーで出せるのは、厳格な基準で作り込まれたジグボーラーの精度が良いことも当然ありますが、品物取り付け→心出し→正確に位置決め→削り→関係寸法を測定→主軸位置や工具径寸法の調整→正確に位置決め→削り→関係寸法を測定→主軸位置や工具径寸法の調整→慎重に位置決め→削り→つづく…。というふうに刃の切れ具を常時確かめつつ、作業者が付き切りでこれらの作業を何度も繰り返しては、実に細かい神経を使ってまで仕上作業を行っているのです。また、作業場の室温や雰囲気などの物理的要因にさえも受けやすく、よって物理的には限界にも近い僅か数ミクロン(μ)単位の精度に誤差が出ぬよう制御しようとするには長年経験を積んだ熟練者による勘所をなくしてはありえません。
要するに、いくら最新で高精度を保証されてる機械を使用したとしても作業者の技術力の差が顕著に現れてしまうのがこの機械の難易度レベルが高い事の証なのです。

JIS規格 (JIS B 0105)ジグ中ぐり盤の定義
番号:412
用語:ジグ中ぐり盤
定義:工作物に対する主軸の位置を高精度に位置決めする装置を備え、主としてジグの穴あけ及び中ぐりを行う中ぐり盤。主軸が水平の横形、垂直の立て形がある。
機械の大きさの表し方:テーブルの大きさ、主軸頭及びテーブルの移動量、テーブル上面から主軸端面までの距離、並びに工作物許容質量。
対応英語:jig boring machine
慣用句:ジグボーラ

ジグ中ぐり盤

ジグ研削盤って?

ジグ研削盤は通称では ジグ研(治具研)、またはジググラインダーと呼ばれます。ジグボーラーと同じくマザーマシンを創る真のマザーマシンであり、機械ワーク(X・Y・Z、テーブル面)フルストロークにおいて平面度、平行度、直角度、真円度は究極の空間精度を追求した工作機械であり、当然ながら位置決め精度は大中型の機械でも±0.003mm、小型の機械では±0.001~±0.002mmの軸間(ピッチ)精度を得ることが可能で、ジグボーラーは除いた他の工作機械の追随を一切許さない高精度を誇るのがジグ研削盤なのです。
これも、頭にジグと付く名称なだけにジグボーラーとは大筋似ているのですが、大きな特徴の違いは、刃物削りに代わって、ダイヤモンド・CBN(ボラゾン)WA(ホワイトアランダム)・PA(ピンクアランダム)・C(カーボランダム)、GC(グリーンカーボランダム)…ほか、これらの軸付砥石を主軸モーターに取り付けて、ジグ研削盤ならではの超高速回転でもって研削および精密研磨を行うことです。被削材料は硬度に焼き入れされた金属の加工が割合を占めるますが、一般的な非鉄金属の加工はもちろん可能でありますし、その中でも難削材と言われる材質(ステンレス、インコネル、チタン、インバー、…など)や、刃物仕上げが出来ない超硬合金、メッキ、セラミックス…など、または金属以外の特殊材料(当社ではターカイト、テフロン、…などの加工実績あり)、あるいは刃の立つ材質でも刃物仕上げより高精度な仕上げを求める場合にも用いられます。
ジグ研削加工は、円(φ)穴の内径と穴の底仕上げが大部分を占めておりますが、円弧・角穴・キー溝・長穴(小判穴)…の内径も仕上げられます。また、反対にこれらの外径を仕上げることも可能です。なお、ジグ研削加工はジグ中ぐり加工と同じかそれ以上の極めて高いミクロン(μ)単位の寸法精度で内外直径を研磨仕上げにて得ることができます。
例えば、焼き入れ材を加工するに際し、要求精度がさほど厳しくない品物で軽度の焼き入れ材や調質材ならマシニングで加工される場合もあるかもしれませんが、高硬度鋼材用ツールでのマシニング加工やワイヤーカット加工では精度を満たせないものについては、大抵の場合ジグ研削盤を用いて仕上げ加工します。
追伸、この様に超高精度な位置決めと同時に精密研削加工ができる点からも言えるように、ジグ研削盤については単能な内面研削盤(インターナルグラインダー)を使用した加工とは根本から異なるということにもご理解頂けたことでしょう。

JIS規格(JIS B 0105)ジグ研削盤の定義
番号:618
用語:ジグ研削盤
定義:工作物に対して砥石軸を高精度に位置決めする装置を備え、主としてジグの穴の内面を研削する研削盤。
機械の大きさの表し方:テーブルの大きさ、主軸頭及びテーブルの移動量、テーブル上面から主軸端面までの距離、並びに工作物許容質量。
ジグ中ぐり盤に準じる。
対応英語:jig grinding machine
慣用句:ジグ研

ジグ中ぐり盤(ジグボーラー)・
ジグ研削盤(ジグ研)発展の歴史

マザーマシン最高峰の代名詞であるジグ中ぐり盤(ジグボーラー)ですが原点はスイスが発祥です。二十世紀の初めに考案されたのを皮切りに各社は競って独自での開発により今日まで進化を遂げて来ました。極小な精密部品構成で造り上げる時計技師達の緻密な製造技術が、ジグ中ぐり盤の開発に多く活かされており、また、古くは円周割り出し装置の精度向上に頼る一方だった技術は、ジグ中ぐり盤誕生により高精度座標軸の位置決めが可能になり、腕時計部品などの品質は更に飛躍した。世界の最高品位を確立したスイス時計の歴史と密接な関係にあるのは事実です。日本初でジグボーラーの国産化を実現できたのは三井精機工業ということで有名ですが、それは1935年(昭和10年)のことだそうです。
しかし、スイスのDIXI(ディキシー社)に続けて代表的なSIP(シップ社)は、この時点ですでに1μm読み光学スケールを使用した縦型ジグボーラーの製作を量産化しており数多くの名機を造り世の中に送り出しました。その優秀さ故にとてつもなく超高価な機械でありましたので、次第に比較的廉価な後発メーカー出現によって優位だったその座は瞬く間に奪われて行きました。
現在日本国内でジグボーラーを生産するメーカーは2~3社で、海外は名の通る先駆会社で立型ジグボーラーのSIPとHAUSER(ハウザー社)、横型ジグボーラーのDIXIとDEVLIEG(デブリーグ社)などがあります。また、しばらく後にはジグ研削盤が登場しましたが、これはジグボーラーを応用で考案されたジグボーラーの発展型と考えられます。現在日本国内でジグ研を生産するメーカーは2社、海外メーカーでは先駆会社としてHAUSER、Moore(ムーア社)が名を馳せております。因に、横型ジグ研は現時点では何処からも発売はされておりません。
どちらの機械も時代の経過と共に大型化の一途をたどりましたが、卓上式などの超小型ジグボーラー生産は随分昔に終えてしまった現在に至ってもまだ、細々と世界中の時計職人の手によって現役で活躍しています。

マシニングセンタ・
ジグボーラーとの比較

金型業界の方々には意外に知名度の低いジグボーラーかもしれません、または、ジグボーラーは効率が悪いと思っておられるかもしれません。もっとも、そ こまでの精度を必要としないと割り切っておられるかもしれません。しかし、マシニングセンタとジグボーラーの両機械は本来の役割と目的趣旨が全く異なっています。ジグボーラーは上記にも述べている通りはっきりとした機械の定義があります。
最高精度の位置決めにより極めて正確なピッチにおいて、穴の直径を真円かつ真直に寸法精度の高い面に仕上げることに特化し究極の精度を目指した機械です。ジグボーラーとジグ研に限っては厳格に規格内の精度に作り上げなければならず、1台ごとに必ず項目別に纏めた検査成績表と精度保証が付されます。このことから、販売カタログにも保証精度が記載されています。
一方、マシニングセンタにおいては販売カタログにも精度の記載が無いことからして、メーカー出荷時において固体別に検査成績表が発行されようとも精度保証という理念は無いものだと筆者は想像しております。CNC(Computer Numerical Control)、及び、ATC(自動工具交換装置)を備えた機械をマシニングセンタは汎用性に優れた万能機と言えます。精度については多少犠牲にしながらも、省力化、効率化、高速化を最優先し、それら両立を目指し現在に至ったマシニングセンタは反復継続した加工作業とNCプログラミングによるコンタリング加工(円弧切削)、輪郭切削や異形加工、負荷の掛かる重切削も短時間で遂げることを特技としており、この点については超高精度を重視しているジグボーラーの加工能力がマシニングセンタに引き離されてしまっているのは事実です。
しかし、今日ではCNC制御でATC装置付のジグボーラーが多く存在しており、両機械の境目にもあいまいな様に感じ取れる部分もあります。両機械におけるハッキリとした違いは、やはり機械の空間精度を等級によって区分されたうえで、格差相応に機械価格へ反映されている他には何も見当りません。
要するにジグボーラーとマシニングセンタを総合的に精度面の比較してみたところでここに述べた通りであり、全く競い合う関係にはないとだけはこの場を借りて述べさせて頂きます。加工する品物の目的用途に応じて要求精度とコストに見合う適切な工作機械を選択すべきなのです。

JIS規格(JIS B 0105)マシニングセンタ(MC)の定義
番号:C24
用語:マシニングセンタ
定義:主として回転工具を使用し、工具の自動交換機能(タレット形を含む)を備え、工作物の取付け替えなしに、多種類の加工を行う数値制御工作機械。機械の構造によって、主軸が水平の横形マシニングセンタ、垂直の立て形マシニングセンタ、門形構造のコラムをもつ門形マシニングセンタなどがある。
機械の大きさの表し方:各軸移動量、テーブル又はパレットの上面又は中心から主軸端面までの距離、及びテーブル又はパレット作業面の大きさ。
対応英語:machining center
慣用句:マシニング

ジグ中ぐり盤

ジグボーラー&ジグ研 
必要性と重要性

マシニングセンタのうち大多数は到底ジグボーラーに匹敵するには至らないものの近年格段に精度を上げてきました。マシニングセンタもボーリング加工と フェーシング加工は可能ですから同時加工による効率化もあって、これら行程の場面では仕上げまでされる場合も随分あるかと思います。しかし一部の最上 位機種のみが高精度機であったり、あるいは高精度を長期維持できないなど、機械の仕様書などに謳っている精度を期待することは難しいと、その悩みを大 勢の方が口を揃えておっしゃります。
このように、マシニングセンタで大部分の加工をまかなえるようになった今日でも加工精度の限界においては、残念な ことにジグボーラーやジグ研削盤の領域には到達することが容易でない分厚い壁が必ずあります。また、繰り返し位置決め精度を保証精度と誤解されている 人をよく見かけますが、それは静的な条件において同じ方向から位置決めを数回行ったうえで最大差を等分した数値に±と表示しているに過ぎませんので実 際に精度を満たしているかは全くの別問題です。よって、機械ワーク範囲全域での平面度、平行度、直角度、真円度…がそこそこにしか仕上げられていない 機械だとすれば、どれだけ高級なスケールを搭載したうえ、スケールフィードバックを装備してサブミクロン単位数値までの制御が可能であったところで決 して高精度は望めません。それは位置決めの再現性が高いということにしか過ぎないのです。真の空間精度はその機械の材質・構造と、選りすぐった最高精 度の部品を如何に多く集積し構成されているかに加え、キサゲなどによる徹底的な調整で決まります。
さて、実際に当社と取引のある幾つかの専用機メーカー様、ゲージメーカー様、金型部品メーカー様などでは当然に社内で高精度な工作機械と設備は万全に 揃えておられます。しかし、肝心な部品については決まってジグボーラー、ジグ研を用いてでなければ可能にできない加工精度を求めておられます。ジグボーラー、ジグ研はマシニングセンタを超越した精度でその部分を「補填」するといった重要な役割をも果たしているのです。特に、マザーマシン用部品についてはマザーマシン最高峰の位置づけであるジグボーラー、ジグ研といった工作機械を用いることが必要不可欠であり、肝心な部品をこれよりも下位の工作機械のみを用いたとして絶対に成し得ることは無いのです。


あとがき(補足)
【Ultra Precision & Heavy Duty】
ジグ中ぐり盤(ジグボーラー)は超精密でありながらも機械本体は剛性に優れた構造で造られている。フライス盤やマシニングセンターとも見た目の違いはそれほどありません。違うのは主軸頭から太いクイルスピンドルが伸び出てZ軸運動する構造が中ぐり盤の特徴でありこれに属します。クイルを腕に例えると、隙間に腕を入れて伸ばせば奥まで手が届くと言う風な感じで、加工箇所が品物上面から深く沈んだ位置にあっても局所にアクセスできる場合や、加工位置そばに主軸とぶつかりそうな壁状や突起状の障害物がある状況でも比較的に切削工具の接近性が良い。また、ジグ中ぐり盤とジグ研削盤は加工以外も検査・測定器としても利用されるが、ネーティブな縦形の大型機種では精密治具などの机上組立にも活用される場合があります。
例えば、機械のテーブルを大きな精密定盤に見立て、XYZともに極めて正確な軸運動と位置決めができる装置が乗っかり、主軸先端にツーリングを取付けれ ば加工までもできるという様な物とイメージすれば解り易いと思います。 三次元測定械の出現よりも遥か昔から精密な検査・測定器として活躍した長い歴史があり、 今日の三次元測定械の起源がここにあります。静的精度において一般普及する三次元測定械の精度に優ることは稀ではなく、最大のアピールポイントである。 ジグボーラーあるいはジグ研削盤で加工を終えた品物は、わざわざ三次元測定器に載せ替えて検査を行う必要はないという道理は、過言にも聞こえるかもしりませんが、満更でもない事実であります。もちろん、常に機械精度が厳正に保持され、温度管理が行き届いているのが大前提の上、専任オペレーターの操作技術や経験の密度と勘所の心得、固有の感覚センスなども肝要でしょう。これら条件が整っての成果であるので、数ある事業所のどの機械もが一律に達成できるもので無いのは言うまでもありません。
何よりも、日々自問自答し続ける中で、エラーも無く長年使い親しんだ相棒マシンとの篤い信頼関係は、誇りにも感じるほど絶大な物であります。
【正真正銘のマザーマシンを造るマザーマシン】
他の多くの精密工作機械をマザーマシンと呼ぶのなら、ジグ中ぐり盤(ジグボーラー)とジグ研削盤(ジググラインダー)の位置づけを今や「グランド・マザー マシン(Grandmother. Machine)」と称することもできるかもしれません。(※ニュアンスを伝えるのに、筆者が勝手に閃いた造語なのですが。)
ベテランのキサゲ職人の技で、繰り返し念入りにパーフェクトな仕上げ調整を施し入魂に作り込んだ最高品位マシンは芸術的作品とも呼べる美しさの両方を持ち合わせ、工作機械の中では特に高価なもので高嶺の花であります。


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